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現実世界
(制作視点での記事)

無人惑星の謎
"That Which Survives"

TOS シーズン 3
制作順No.60043-69
本国初放映1969年1月24日、第72話
Losira
脚本ジョン・メレディス・ルーカス
監督ハーブ・ウォラースタイン
西暦 2268年

 エンタープライズのクルーは無人惑星に取り残され、美女のイメージに脅かされた。

エピソード概要[]

プロローグ[]

 USSエンタープライズは奇妙な惑星を調査していた。大きさは地球と同程度だが、質量は地球ほどもあり、さらには年齢がたったの数千年であるにも関わらず地球に似た大気や植物が存在した。カーク大佐ドクターマッコイスールー、そして上級地質学者ダマート中尉を連れて上陸することにした。しかし転送が始まった時、謎の女性が転送室に現れて「行ってはいけない」と言った。女性は転送の担当士官に手で触れて殺したが、転送を止めることは出来なかった。その直後、惑星の地表とエンタープライズに激しい揺れが起こった。それがおさまると、エンタープライズの前から惑星が消えていた。また惑星上の上陸班もエンタープライズが消えていることに気付いた。

第一幕[]

 惑星に置き去りにされた上陸班は食料や水を探すが、見つからなかった。植物は全て有毒で、他の生命はと言えば植物に寄生するウイルスのようなものだけだった。カークの命令で、ダマートは地下水の探査、スールーは大気の解析、マッコイは植物と寄生体の調査を手分けしてすることになった。スールーは通常の磁気探知を実行中に数値が突然跳ね上がったことをカークに報告する。またマッコイも強力な生命反応を短時間だけ検知したと報告した。場所はダマートに近かったためカークがダマートに連絡をしようとしたが、応答がなかった。ダマートは、エンタープライズの転送室に現れたのと同じ女性に遭遇し、手で触れられて殺されていた。カークは墓を掘るためにフェイザーで地表を撃った。すると土の下から硬い岩が現れた。

 その頃エンタープライズでは、ほんの数秒の間に990.7光年もの距離を移動したということが判明していた。スポック中佐ワープ8で惑星へ引き返すよう命令した。

第二幕[]

 謎の力で長距離を移動させられたエンタープライズに損傷はなかったが、機関部長スコットは論理的には説明できない何かの違和感を感じていた。彼は部下のワトキンスに指示して、物質・反物質反応炉のバイパスをチェックしに行かせた。ワトキンスはその先で例の謎の女性に遭遇し、殺された。

 上陸班は惑星の組成を調査し、惑星が人工的に作られたに違いないと結論づけた。そして日が暮れ、カークとマッコイが休む間スールーが見張り番をすることになった。するとまた同じ謎の女性が現れ、彼に触れようとした。スールーは少しだけ触れられたが、助けを呼んだのでカークとマッコイに遮られて助かった。不思議な事に、カークは女性に触れられても全く無傷だった。女性は傷つけるつもりはないのだと言い、姿を消した。スールーは触れられた肩の部分の細胞が破壊されていた。

第三幕[]

 一方エンタープライズでは、速度が勝手に上昇して止められないという事態が発生していた。スコットは物質・反物質反応炉のバイパスが溶かされていることが原因だと突き止めた。この緊急用のバイパスが機能していないために、約15分で最大オーバーロードに達してエンタープライズは大爆発してしまうことが判明した。

 バイパスを溶かした犯人は例の謎の女性であろうことは直ぐに推測された。オーバーロードを止めるためには、物質・反物質反応炉の燃料の流れを止める必要があった。スポックは清掃用の通路から物質・反物質反応炉にアクセスして、磁気プローブを用いて手動で燃料を止めることを提案した。作業はスコットが行うことになった。スポックは、スコットが主張していた違和感を確かめるべく、エンタープライズの元の状態と今の状態を比較して解析することにした。

 上陸班は、再び女性と遭遇した。一度に一人しか狙わないらしく、今回はカークの番だった。女性から生命反応はなかった。女性は司令官ロジラだと名乗り、基地を防衛しているが他には誰もいないと明かした。カークが問いつめると女性は再び殺すつもりはないと言い、独りで寂しくないのかという問いには答えずに姿を消した。3人はトリコーダーを使って女性を追い、岩に隠された入り口を発見した。

 作業を開始しようとするスコット。もし反物質を閉じ込めている磁場を破ってしまうと、反物質が物質と触れて爆発を起こしてしまうため、磁気プローブの設定を磁場に正確に合致させなければならない。しかし磁場は不安定だった。スポックの行っていた解析が終わると、エンタープライズが分子転送で移動させられた際に本来の位相からずれてしまったことが判明した。元に戻すため、スポックはスコットに磁気プローブの極性を逆転させるように指示した。残り時間は少なかったが、スコットはぎりぎりで作業を終えることが出来た。磁場は安定な状態に戻り、エンタープライズの加速も止まった。

第四幕[]

 上陸班の3人は扉をぬけて部屋に入った。ロジラが現れ、触れる相手の細胞を利用しないと存在していられないと説明した。そして3人それぞれを狙うべく、さらに2人のロジラが現れてカークたちを追いつめた。その時、スポックと保安士官が転送されて来た。カークがコンピュータを破壊しろと即座に叫ぶと、保安士官が天井の装置をフェイザーで撃った。3人のロジラは消え、代わりにロジラ本人の映像が壁に現れた。ロジラはこの人工惑星を訪れるはずだった仲間のカランダ人に向けたメッセージを伝えた。

 この人工惑星はカランダ人の前哨基地であったが、病原体のために住民は全滅の危機に遭ったのだった。ロジラは最後の生き残りとして基地の防衛システムを全自動に切り替え、母星からの助けを待っていた。マッコイの推測によれば病原体は彼らの母星にも広まっていて助けはついに来ず、そのために数千年もの間ロジラの複製が前哨基地を防衛し続けていた。基地のコンピュータはロジラをそのまま再現したので、彼女本人の性格が反映され、殺害に抵抗を感じていたのだろうとカークは述べた。カークたちはロジラが美しくて素晴らしい女性だったに違いないと思った。スポックは美は一時的なものだと言ったが、カークは反対して「美は生き続ける」と言った。

背景[]

連続性[]

リマスター版[]

 カランダンの前哨基地USSエンタープライズがCGIに置き換わり、またエンタープライズが分子転送される場面が描かれた。

参照[]

 括弧内は日本語吹き替えや字幕。

オスミウムサンチェスジェナス6号星(ジェナス・シックス)、磁気プローブ(マグネティック・プローブ)、ダイバーニウム(ディバニウム)、ラーダ


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制作順: TOS: 惑星セロンの対立
日本放映順: TOS: 惑星セロンの対立
本国放映順: TOS: 消滅惑星ゼータの攻撃
TOS: 宇宙300年の旅 スタートレック:宇宙大作戦
(デジタル・リマスター版)
TOS: 美と真実
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