ヴァルカンとアンドリアの歴史(Vulcan-Andorian history)は22世紀のヴァルカンとアンドリア帝国間の緊迫した関係が特色であった。
ファースト・コンタクトと交戦状態の始まり[]
当初はヴァルカンとアンドールの関係は有望なものであった。しかし、後にヴァルカンはアンドリア人の自らに利益のある協定にしか従わないという点から彼らを二枚舌と評するようになっていた。
1950年代、ヴァルカンはアンドリア側の領土的野心を疑っていた。またその一方で、アンドリアはヴァルカンが大規模報復を伴う侵攻を企てる脅威とみなしていた。
ヴァルカン呼称でパーン・モカー、アンドリア呼称でウェイターンと呼ばれるDクラス小惑星は、ヴァルカンの領域に程近い場所に位置していた。アンドリアはこの小惑星をテラフォーミングして居住可能な環境へと変化させコロニーを建設した。しかし、その位置はヴァルカンの領域を脅かす戦略上の要衝であったため、ヴァルカン側はアンドリアのコロニーが軍事施設であると疑い、アンドリアに対してコロニーの視察を申し入れたが、アンドリアはこれを拒絶した。これに対してヴァルカン最高司令部は2097年にパーン・モカーを併合し、アンドリアの入植者を強制疎開させた。(ENT:戦場の絆)
冷戦[]
ヴァルカンとアンドリアは平和条約に調印し、ヴァルカンはパーン・モカーに無人の監視衛星を配置して、アンドリア側が条約を守っているかどうかを常に監視した。また、ヴァルカンはプジェムの修道院に密かに長距離センサー・アレイを隠してアンドリアの監視を続けていた。
ヴァルカンはプジェムのセンサーの存在を否定していたが、アンドリアはその存在を疑い、度々プジェムに押し入りセンサー・アレイを探したが見つけることはできなかった。しかし、2151年に地球連合宇宙艦隊のエンタープライズがプジェムに訪れた際に、人類とアンドリアンが協力して調査した結果、その存在が露呈することになった。アンドリアは修道僧達に脱出の時間を与えた後にプジェムと隠されたセンサー・アレイを破壊した。(ENT:汚された聖地)
冷戦中の別の紛争はコリダン星に波及した。ダイリチウムが豊富に採掘できるこの星の利権を巡り、親ヴァルカン政権の現コリダン政府をヴァルカンが支援し、反政府武装組織に対してアンドリアが支援をし内戦状態に陥っていた。(ENT:恩讐を越えて)
2152年、かつて解決したかに見えた紛争は再び再燃した。パーン・モカーに配備された無人監視衛星はアンドリアが再びパーン・モカーに上陸し占領したことを察知した。ヴァルカンは直ちに奪還のための軍を送り込み半分を奪還したが、膠着状態が続いていた。
アンドリア側の指揮官であるシレック・シュラン司令官は、ヴァルカンとの停戦協定の協議の仲介に地球船エンタープライズのジョナサン・アーチャー船長を指名し、アーチャーの仲介でアンドリアのシュランとヴァルカンのソヴァル大使は停戦協定を結んだ。(ENT:戦場の絆)
アンドリアはズィンディ危機に関連するエンタープライズのデルフィック領域での任務に対して支援を行った。しかし、彼らの真の狙いはズィンディ超兵器のプロトタイプの設計図を手に入れ、ヴァルカンとの冷戦を有利に進めることであったが、エンタープライズによって超兵器は破壊され、その目論みは阻止された。(ENT:アンドリア人の協力)
冷戦の終わりとアンドリアの戦い[]
ヴァルカン最高司令部のヴラス長官(ヴァルカン政府の監督者でもある)は、アンドリアがズィンディの技術を使ってヴァルカンに対して侵攻を企てているということを、証拠を捏造して他の大臣らに信じさせ、アンドリアに対する奇襲攻撃を画策した。ヴァルカンはウェイターン付近に偽のワープ・サインを発信しアンドリア側の注意を引き、実際はアンドリアの監視が及ばない範囲にあるレグルスに12隻の奇襲艦隊を終結させた。
この奇襲計画の情報がエンタープライズからもたらされたアンドリアでは、急遽六隻の迎撃艦を奇襲地点に向かわせた。
奇襲計画が露呈し現地でヴァルカン軍とアンドリア軍が対峙する中、アンドリア側にはズィンディ技術による新兵器は存在しない事実が判明するも、ヴァルカンのヴラス長官はアンドリアに対する攻撃を命令し、遂にヴァルカンとアンドリアによる交戦が始まってしまう。(アンドリアの戦いを参照)
しかし、ヴァルカン最高司令部ではヴラス長官が追放されたことにより双方停戦し、ヴァルカンでは新政権が樹立して急速にアンドリアとの関係は改善していくこととなった。(ENT:バルカンの夜明け)