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可変種のマートクについては、マートク(可変種)を参照。

 マートク(Martok)は、クリンゴン総裁であり、ドミニオン戦争においては初期から末期までクリンゴン防衛軍艦隊を指揮していた将軍でもある。

幼少期から青年期[]

士官を志すまで[]

 マートクはケサ低地に住む比較的貧しい戦士の一家に育ったが、15代に渡ってクリンゴン帝国に仕える誇り高い戦士の一家であったことから、その貧しさを決して恥じることは無かった。
 マートクの父も同じく戦士であったが、父親は、マートクが士官になることを期待していた。

コールとの軋轢[]

 青年期のマートクは士官としての適性を満たし、試験にも一発合格するほどの実力を持っていた。
 しかし、面接試験の際に、ダハール・マスターであり、法律の顧問だったコールの一声によって、マートクは士官としての道を絶たれてしまった。
 それも、コールは、マートクがケサの低地に住む貧しい一家の出身であることだけを理由に士官に相応しくないと判断したのだ。さらに、後述の経緯も含めて、マートクはコールが後のドミニオン戦争(トレルカ第5基地への攻撃後)で戦死するまで、彼のことを恨み続けたのである。

巡ってきたチャンス[]

 士官への道を絶たれたマートクは戦士となることも許されず、その後、シヴァング将軍指揮下の戦艦に一般市民として乗務し、乗組員たちの汚れ物を洗う仕事をさせられた。
 だが、それから5年後、マートクのいた戦艦はロミュランと戦闘になり、艦内にロミュランが乗り込んできた。この時に初めてマートクは戦士として戦うことを許された。
 そして、その戦いぶりが評価され、マートクは改めてクリンゴン戦士としての道を歩むことを許された。この時、既にコールの権威が有名無実と化していたとされており、仮にコールの権威が健在だったとすれば、マートクは今の地位に辿りつけていなかった可能性が高い。
 しかし、その勇姿を見聞きする前にマートクの父親は亡くなっていた。(DS9: 今一度あの雄姿を

将軍になったマートク[]

ガウロンの側近[]

 マートクはその後順調にキャリアを重ねていき、2371年までにガウロン総裁の実質的な副官の立場にまでなっており、ガウロンから信頼されていた。
 ガウロンとはそれ以前に起きたクリンゴン内戦からの長い付き合いでもあった。
 しかし、後にこの立場をドミニオンに利用されてしまった。

ドミニオンの捕虜に[]

 2371年の中頃、カーン山でのサーベルベア狩りの最中、彼は突然にドミニオンによって拉致された。

Martok fights Jem'Hadar soldier

ジェムハダーと戦わされるマートク

 マートクはガンマ宇宙域にある第371捕虜収容所に収監され、ここで2年に渡って連日のようにジェムハダーたちと戦わされ、イカティカというジェムハダーに左目を潰された。
 そして、この最中に、自らの偽物がクリンゴンにおいて酷い政治を行なっている噂を聞かされて、腸が煮えくり返るような思いをした。

脱獄[]

 2373年の中頃、ドミニオンとカーデシア連合が結託し、ドミニオンによるアルファ宇宙域への侵攻が開始された頃、オマリオン星雲の戦いで死亡したと思われていたエナブラン・テインからの救難信号をディープ・スペース・9(以下「DS9」)のクルーたちがキャッチし、その調査のためウォーフガラックランナバウト[1]に乗り組み、ガンマ宇宙域へと向かった。しかし、テインの救難信号を調査中にチャムラの渦ドミニオン艦隊に遭遇し、二人はマートクの収監されている第371捕虜収容所へと連行されてきた。
 マートクはこの収容所で、とあるロミュランの女性や、テイン、そして、ミーザン4号星の医学会議中に拉致されてきたジュリアン・ベシアらと知り合い、ガラックとウォーフも加えた彼らは捕虜収容所からの脱獄を試みた。テインはガラックとウォーフがやってきたその日に心不全で息を引き取るが、マートクとウォーフは、ジェムハダーたちと戦わされることになった。
 しかし、ジェムハダーに処刑される寸前で、ガラックはテインの作った信号装置の調整を終え、ランナバウトに収容された。マートクたちは一路、DS9へと戻ることが出来た。(DS9: 敗れざる者・前編敗れざる者・後編

IKSロタランの指揮官へ[]

Sisko and Martok on Deep Space 9, 2373

シスコ大佐によって駐留軍の指揮官に指名されたマートク

 DS9へと戻ったマートクはガウロンと再会し、彼の直接命令と、DS9の司令官であったベンジャミン・シスコ大佐からの指名によって、ステーションに駐留するクリンゴン艦隊の指揮官に任命された。
 数ヶ月後、マートクの元にIKSロタランが派遣されてきた。その目的は、カーデシア国境沿いを哨戒中に行方不明となったクティンガ級巡洋戦艦IKSバモスを捜索するためであった。
 しかし、この当時のロタランは、カーデシアとドミニオン、特に、ジェムハダーとの戦いで連敗を続けており、クルーの士気は下がり気味であった。
 そして、ロタランの一部クルーたちはジェムハダーとの戦いで勝利しなければ、艦内の状況は悪くなる一方であると悟っていた。
 だが、マートク自身も認めたがらなかったが、捕虜収容所での体験によってジェムハダーとの戦いを避けるような傾向が出来てしまい、「極力交戦は避けるように」という上層部からの命令を盾にして、ロタランのクルーたちから反感を買うことになった。

Martok and Worf fight on the Rotarran

ロタランのブリッジにおいて、ウォーフと決闘をするマートク

 その状況を変えるべく、マートクによって副長に指名されていたウォーフは、クリンゴン防衛軍での規則を適用して、マートクを艦長の座から降ろそうと、決闘を申し込んだ。
 この時、ウォーフとマートクは、トヴァドックを感じ、マートクは、ウォーフが自分に反旗を翻した真の理由を知った。
 決闘は、マートクのダクタフの一撃を受けたウォーフが医療室に運ばれる結果になったが、直後にロタランを襲ってきたジェムハダー戦闘機に向き直り、ロタランのクルーたちと共に軍歌を歌いながら、ジェムハダーとの戦いに臨んだ。
 そして、ジェムハダーを蹴散らしたマートクとロタランのクルーたちは、行方不明になっていたバモスも発見し、34名の生存者を救出して、誇らしく帰還した。(DS9: 我らクリンゴン

ドミニオン戦争[]

戦争の緒戦[]

 マートクは、その後もロタランの艦長として指揮を執り続けたが、ドミニオン戦争が勃発すると、そのほぼ全期を通してクリンゴン艦隊の指揮を執ることになった。
 ドミニオン戦争の緒戦である第二次ディープ・スペース・9の戦いでは、マートクの率いるロタランはカーデシアとの国境沿いをパトロールしていた。だが、ベイジョー・ワームホール付近に遮蔽機雷を敷設中のUSSディファイアントがジェムハダー戦闘機に迫られた時、ロタランがこれらを撃墜し、遮蔽機雷を敷設し終わるまでの時間を稼いだ。
 遮蔽機雷敷設を完了させて起動後、DS9から惑星連邦とクリンゴンは撤退した。そして、マートクたちはトーロス3号星の戦いで勝利した艦隊に合流し、ドミニオンとの本格的な戦いの渦中へと身を投じていった。(DS9:DS9撤退の日

撤退に次ぐ撤退[]

 開戦後、ドミニオンとカーデシアの連合軍による艦隊は、クリンゴンと惑星連邦の連邦連合軍を次々と打ち負かし、連邦だけでなく、クリンゴンの兵士たちの間でも、ドミニオンに勝利する希望が薄れつつあった。
 それは、ドナテュー5号星へ向かう船団護衛の直前にウォーフに対して述べたマートクの言葉からも十分に読み取れた。

「これを見ろ、ウォーフ。ほとんど動きゃしない。新鮮なガフが食えるなら、見える方の目と代えてもいい」
「退却に次ぐ退却。ドミニオンはますます侵攻してくる。なあウォーフ、戦争ってのは勝っていなきゃ面白くもなんともない! 負けるたびに古傷が痛むんだ」

 この後、マートクたちはドナテュー5号星への船団護衛の任務は無事に終えたものの、軍全体の士気は一向に上向かない状況が続いていく。
 しかし、この直前にマートクはシスコとの間にある賭けをした。それは、後にドミニオン戦争の戦局を変える重要な戦いに関するものだった。(DS9: 過去を越えた絆

DS9奪還作戦[]

 シスコは戦況を変えるべく、アルファ宇宙域の中で、現在の最重要拠点となっているDS9の奪還作戦を立案し、宇宙艦隊シタック提督コブム提督の説得に成功、第2第5第9艦隊が作戦のために召集されることになった。
 しかし、ガウロンはこの計画の実行に懐疑的であり、クリンゴン本星の防御が手薄になることを恐れていた。そのガウロンを説得すべく、マートクはウォーフと共にクリンゴン最高評議会に掛け合った。
 その間に、ワームホール付近に設置した遮蔽機雷が撤去されるという情報を手に入れたシスコたちは計画を1日早め、第9艦隊が到着していない状態で作戦を開始することになった。
 その宇宙艦隊を迎撃すべくベイジョー星系への針路にカーデシアとドミニオンの艦隊が立ちふさがり、宇宙艦隊は2対1の戦力差で劣勢だった。
 戦闘開始から数時間後、ディファイアントも僚艦であるUSSシタックUSSマジェスティックを撃沈され、追い詰められていた。その時、マートクの率いるクリンゴン艦隊が到着。即座にドミニオン艦隊を側面から攻撃し、陣形に穴をあけることに成功したのである。
 その後、マートクのクリンゴン艦隊を加えた連邦連合軍の艦隊はドミニオン艦隊の陣形をさらに崩させ、DS9からドミニオンとカーデシアが撤退を始める頃には、200隻を突破させることに成功していた。
 そして、シスコはマートクとの賭けに勝ち、ブラッドワイン1樽を共に酌み交わすことになった。(DS9: ディープ・スペース9奪還作戦・前編ディープ・スペース9奪還作戦・後編

第9艦隊最高司令官[]

 宇宙暦51247.5。DS9奪還作戦後、ステーションに返り咲いたマートクは、シスコの推薦によって第9艦隊の最高司令官に任命された。ステーション内でオフィスの設置をシスコに提案されるも、マートクは「窮屈だが落ちつくし、戦争をしてるって気分にはなれる」という理由からロタランの艦長室にその場を設置した。
 そして、ウォーフを引き続いて主任情報将校として登用する旨を伝え、シスコの了承を得た。
 彼はこの任命に関して「面倒な書類仕事をどれほどやらされるか」とシスコに対してボヤいたが、それでもこの任命を引き受け、その後、ガウロンが指揮を取り始めるまでは同職を務め続けた。
DS9: 花嫁の試練嵐の予兆

 その後、戦況は膠着が続いたが、2374年の末にロミュランが連邦連合軍に加わると、カーデシア領であるチントカ星系の攻略が始まった。マートクは捕虜収容所でロミュラン女性と知り合ったが、ロミュランに関しては、「傲慢で信頼できない連中だ」と評価していた。実際、ロミュランのレタント議員との作戦会議中には、彼からの挑発にマートクが食って掛かるような場面も見られた。

 このロミュランとのいざこざはシスコやウォーフが仲裁に入ったため、幸い作戦に影響するような事態は避ける事ができた。第一次チントカ星系の戦いでは、少なくとも自身の指揮下にあるクリンゴン艦15隻以上をジェムハダーの特攻で失うなどの損害を被りながらも戦いを無事に乗り切った。しかし、直後にマートクは、ウォーフの妻であるジャッジア・ダックスの死を知る。(DS9: 決意の代償

 それから数ヶ月後、マイルズ・オブライエンたちから相談を受けたマートクは、攻略に一度失敗したモナック4号星造船所破壊の任務を、今度は副長にウォーフを任命して再戦し、ジャッジアの弔い合戦を成功させた。(DS9: 砂漠からの呼び声預言者の呪縛

ウォーフとの関係[]

出会い[]

Worf meets Martok

出会った時のウォーフとマートク

 マートクは、前述の捕虜収容所でウォーフと知り合い、連日、ジェムハダーとの素手による戦いを強制される中、ウォーフは、ある時にジェムハダーとの戦いに嫌気が指し、わざと負けて殺されてしまおうという諦めを持ってしまった。
 だが、その思いをマートクはトヴァドックで感じ、ウォーフは、自分の心を見透かされたことに恥じを感じ、もう一度必死で戦おうと決意した。その結果、ウォーフは脱獄までの間、ジェムハダーのほとんどを打ち負かして生き延びることが出来た。
 その一件以来、ウォーフとマートクの間には強い信頼関係が生まれた。自分の知る人物のいないロタランにおいて、マートクが自分の右腕としてウォーフを指名し、一方でウォーフもその指名を快諾したのも、そのような経緯があってのことであった。

最良のコンビ[]

 ロタランによるバモス捜索時、マートクの命令に背いてジェムハダーと戦おうとしたウォーフを、最初マートクは、ウォーフに裏切られたものだと感じた。しかし、決闘の最中に再び二人はトヴァドックを感じ、マートクはウォーフの真意を知った。それは、かつて自分がウォーフに示したように、ウォーフはマートクに、クリンゴン戦士としての気持ちと誇りを取り戻そうとしたのだ。それを理解したマートクは、決闘に勝利した後に襲ってきたジェムハダー戦闘機を、同じくジェムハダーとの戦いでの勝利を望んでいたロタランのクルーたちと共に撃退したのである。
 そして、DS9に戻った後、マートクはウォーフをマートク家に迎えた。(DS9: 我らクリンゴン
 ウォーフとマートクは、その後も良きコンビとして、ウォーフ自身は宇宙艦隊士官でありながらも、ロタランにおいて実質的な副長の立場として、艦長であるマートクを支え続けた。

結婚式[]

 ドミニオン戦争開戦直後から、ウォーフは息子であるアレキサンダー・ロジェンコと再会するまではジャッジア・ダックスとの結婚式のことで頭がいっぱいであり、そんな様子の彼をマートクは少々鬱陶しく思い、時々怒鳴りつけたくなるほどだった。だが、マートクは、ウォーフとジャッジアの結婚に別段反対だったというわけではなく、むしろ、ジャッジアのことを「強い女性」として評価していた。その一方、彼の妻であるシレラがジャッジアのことをどう扱うのか、少々心配している様子はあった。
 だが、アレキサンダーがIKSヤヴァングへの転属が決まったために、結婚の時期を早めてDS9で挙式することになると、マートクはアレキサンダーや、ウォーフの上官や同僚達であるベンジャミン・シスコマイルズ・オブライエンジュリアン・ベシアたちを巻き込んでのカルハヤへの道の手ほどきを行なった。
 その直後、シレラからの試練や偏見に耐えかねたジャッジアが結婚を辞めると言い出し、ウォーフも売り言葉に買い言葉でそれを認めてしまうと、マートクはウォーフに、その決断を間違っていると諭し、シスコもジャッジアを説得した結果、ウォーフとジャッジアの結婚式は無事執り行なわれることになった。(DS9: 花嫁の試練
 その後も家長としてマートクはウォーフとジャッジアのことを見守っていたが、ジャッジアがパー・レイスに憑依されたガルデュカットに殺害される事件が起きる。それから数ヶ月後のある日、DS9に戻ったマートクはオブライエンからの相談を受けて、ウォーフが未だにジャッジアの死を引き摺っている事実を知り、ジャッジアの魂を確実にスト・ヴォ・コーへと送るためにモナック4号星造船所を破壊する任務の副官にウォーフを誘う。その任務をウォーフが承諾すると、直後に彼の友人であるオブライエン、ベシア、さらにクワークまでもがその任務に参加すると言い出した。マートクは、ロタランのブリッジにいた彼らをウォーフが怒鳴り散らす場面に遭遇したため、マートクはウォーフを諭し、彼の友人達に謝罪をさせた。
 その後、マートクたちは、モナック星系主星に人工的なプラズマ放射を起こさせてモナック造船所の破壊に成功、ジャッジアをスト・ヴォ・コーに送り届けて、DS9に帰還した。(DS9: 決意の代償砂漠からの呼び声預言者の呪縛

Jean-Luc Picard, 2364 この記事は書きかけだ。是非とも、この記事に加筆してみて欲しい。記事を書く際は、画面上部の「編集」をクリックするように。


背景[]

注釈[]

  1. 実際の劇中では、ガラックとウォーフが使用したランナバウトの艦名は言及されていないが、『敗れざる者・前編』と『敗れざる者・後編』において、USSリオグランデUSSヴォルガUSSユーコンの3隻が言及されるシーンがある一方、2371年末に配備されているはずのUSSルビコンが台詞上で登場していない。そのため、この時に2人が使用したのはルビコンである可能性が高い。その場合、2373年の時点でDS9にはランナバウトが4隻以上配備されていたことになる。
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