トランスワープ・ハブ(Trans warp hub)は、ボーグによる天の川銀河全宇宙域への大規模構造宇宙艦輸送施設である。
ボーグはトランスワープ・コンジットと呼ばれる亜空間トンネルを設置する技術を持ち、少なくともUSSエンタープライズDの最大ワープ速度の20倍以上の速度で航行することができる。
トランスワープ・ハブは数千のトランスワープ・コンジットと同時に接続し、ごく短時間で四宇宙域すべてにボーグ艦を配備することが可能である。そのためハブはボーグにとって最も重要な戦略拠点である。ただし、ハブはあくまで宇宙艦を送り出すだけであり、元のハブへの帰還は自力で行う必要がある。(TNG: ボーグ変質の謎・前編、VOY: 道は星雲の彼方へ)
ハブは巨大な球状のエネルギー体に数千箇所の入口を持ち、天の川銀河の各宇宙域への接続が確立されている。またハブは一連の惑星間マニフォルドの連続によって構築されている。これらのマニフォルドはボーグ・クイーンが直接管理しており、様々な攻撃や障害に対して強固な防衛力を有していた。これは万が一幾つかのマニフォルドが破壊された場合、その衝撃波がすべてのマニフォルドに伝播して破壊されるという弱点のためでもある。
USSヴォイジャーの遭遇[]
2378年時点で、知られている限りで6つのトランスワープ・ハブが存在していた。一つのハブがデルタ宇宙域グリッド986の星雲内に存在しており、2378年にUSSヴォイジャーによって発見された。ヴォイジャーは付近を航行していた際に、断続的に重力子フラックスを伴う強いニュートリノ反応を星雲から検知した。ヴォイジャーはそれがアルファ宇宙域へと続くワームホールの可能性があるとして調査を開始したが、そこには20隻以上ものボーグ・キューブがひしめくボーグの巣窟であった。
あまりにも危険であると判断したキャスリン・ジェインウェイ艦長は、艦を星雲から引き揚げさせた。しかし、その後突如現れた時間断層から宇宙艦隊のシャトル・クラフトが現れた。このシャトルには未来からやってきたキャスリン・ジェインウェイ中将が乗っており、彼女は時間協定を無視してヴォイジャーの防御力をアップさせるためのアブレーティブ・ジェネレーターとトランスフェイズ魚雷をヴォイジャーにもたらした。
未来のジェインウェイは過去の自分に対して、直ちにトランスワープ・ハブへ向かいそこから地球へと帰還するよう命じた。しかし、このボーグの戦略的拠点を破壊することが重要であると考えた現在のジェインウェイは未来のジェインウェイと協力し、ハブを破壊しつつ地球へ帰還するための作戦を実行した。未来のジェインウェイは単身ボーグ・クイーンの元に乗り込み、自ら同化されることで神経溶解ウィルスにクイーンを感染させ、一時的にトランスワープ・ハブの防衛能力を無力化した。ヴォイジャーはこの隙にアルファ宇宙域へと続くトランスワープ・コンジットへと侵入し、内部からハブを構築する惑星間マニフォルドにトランスフェイズ魚雷を撃ち込んだ。連鎖反応でハブが崩壊する中、ヴォイジャーはボーグ・スフィア634に追跡されて攻撃を受ける。装甲の強度が限界に近付く中、ヴォイジャーはわざとスフィアの内部に吸い込まれることで、衝撃波を切り抜けた。そして、内部からスフィアを破壊し、無事にアルファ宇宙域へと帰還。同時にトランスワープ・ハブの破壊にも成功したのだった。この戦闘において、無数のボーグ・ドローンと少なくとも3隻のボーグ・キューブと1隻のボーグ・スフィアが破壊された。(VOY: 道は星雲の彼方へ)
トランスワープ |
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